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社会復帰に向けた取り組み

『再び罪を犯すことなく、自他を傷つけない生き方を』

島根あさひ社会復帰促進センターは、受刑者の再犯防止を最優先課題としてさまざまな処遇に取り組みます。
地域の自然、産業、文化に力を借りて、出所後の就労面での有効な支援となる各種作業・職業訓練、犯罪行動の変化を徹底して促す教育プログラム、出所後の帰住環境への働きかけなどを実施していきます。

■受刑者処遇の流れ

入所から出所までを、分類部門と教育部門とが有機的に連携し、アセスメントとケア、リハビリテーションを統合して取り組みます。
また、島根あさひ社会復帰促進センターにおいて独自に開発された「分類事務支援システム」により、受刑者の各種データがリンクされ職員間の情報共有がはかられます。

受刑者処遇の流れ

■作業・職業訓練

刑務作業の確保に当たっては、刑務作業の仕組みを地域活性化に生かし、また地域の力を借りながら継続的に作業を提供する体制を整えることを目的としております。

また、島根あさひ社会復帰促進センターでは、四季を感じ自然に親しむ心をかん養するため、農業を実施しております。
具体的には、施設内の作業として、バラ等のハウス栽培、施設外の作業として、新開団地での農作業、地元梨園での援農等を実施しています。
新開団地での農作業は、浜田市が所有する農業団地である新開団地の一部を借り受け、受刑者30名程度で、茶葉栽培、野菜のハウス栽培及び桑の有機栽培を地元の営農者から指導のもと行っています。

さらに特化ユニットの受刑者向けの作業として、地元の伝統芸能である神楽の面作りや、伝統工芸品である石州和紙や石見焼きの陶器作りなどを、地元の福祉会や和紙工房、窯元の協力を得て実施しています。

職業訓練については、すべての受刑者が受講する基礎科目として、ビジネスの基礎である商取引・簿記の基礎知識をRPGによって習得する「ビジネススキル科」や、就職に必要な基礎的なITスキルを習得する「PC基礎」などの科目があります。
また専門科目としては、浜田ビューティカレッジを運営する学校法人 白蓮学園が本センター内に理容の各種学校を設置し、理容師資格の習得に必要な知識・技能を身につけさせる「理容科」のほか、介護職員初任者研修の取得を目指す「介護福祉科」、「医療事務科」、「調理科(パン職人)」、「PC上級課程」、「デジタルコンテンツ編集科」等を実施しています。
「デジタルコンテンツ編集」については、労働需要の高いホームページ用映像コンテンツや教育関連ビデオコンテンツ等の映像編集に必要な知識、技能を身につけるものであり、産業技術大学院大学が教材開発を行うとともに、指導にあたる講師の養成を行うという産学官連携による画期的なプログラムです。

園芸療法農園園芸療法農園

石見神楽面づくり(イメージ)石見神楽面作り(イメージ)

新開団地新開団地

PC教室PC教室

理容理容

パン工場パン工場

■教育

欧米で再犯率の低下が実証されているプログラムを導入するとともに、島根あさひ社会復帰促進センター独自のプログラムを展開しています。
施設環境全体を回復、更生への手段とみなし、生活全体を学びの場とする「回復(治療)共同体」、犯罪行為につながる思考や感情、その背景にある価値観や構えをターゲットとして、効果的に変化を促進する「認知行動療法」、社会の一員であることを意識し、加害行為の責任を引き受ける力を養う「修復的司法」の考え方を教育の3つの柱にすえ、受刑者の犯罪行動の変化や社会的態度の変化を目指します。

教育の3本柱

■就労支援

ハローワークと提携した就労支援のほか、全国の刑務所で初めてハローワークを介さずに職業を斡旋できる無料職業紹介事業を平成26年1月に厚生労働省から認可され、在所中に企業の面接を経て内定に至る取り組みも行っています。また、職場を提供するだけでなく、刑務所や少年院から出た人の更生と社会復帰を親のように支えていこうという企業による「職親プロジェクト」による働きかけも行っています。
さらに、平成28年には、東京矯正管区及び大阪矯正管区にコレワークが設置されました。コレワークでは、全国の受刑者等の希望職種や資格等のデータを一括管理し、出所者等を採用したいという企業に対して情報提供する取り組みを行っています。

■社会貢献

社会貢献的な意義のある教育活動の実施を通じて、受刑者にしょく罪の気持ちを育ませ、コミュニティの一員として社会の役に立ちたいと思わせることは、受刑者が社会復帰する上で非常に意義のあることだと考えます。
そこで、島根あさひ社会復帰促進センターでは、日本盲導犬協会の協力を得て「盲導犬パピー育成プログラム」を実施しています。このプログラムは、受刑者が盲導犬の候補犬となる子犬(パピー)を生後60日から1歳になるまでの約10か月間育てるものです。プログラムに参加する受刑者は、24時間子犬と生活を共にし、えさやり、運動等の世話をしながら、トイレトレーニングを始めとするしつけをするとともに、人間社会のルールを理解させ、子犬が人間と信頼関係を築きあげることができるようにします。本プログラムを通じて、受刑者に生命を慈しむ心をかん養させ、社会に貢献できる喜びを体験させることを目的としています。
このほか、点字翻訳・音訳作業、自転車再生活動(放置自転車を再生し、交通の不便な海外での医療活動用に提供)、構外清掃活動(市の公園清掃)、地域お手伝い活動(地元施設の清掃)も実施しています。

盲導犬パピー盲導犬パピー

点字翻訳点字翻訳

音訳音訳

■特化ユニット

身体的、知的・精神的に障害をもつ受刑者に対しては、作業療法や理学療法を実施するほか、集団精神療法、SST(ソーシャル・スキルズ・トレーニング)、内省プログラム等、さまざまなプログラムを受刑者の特性に応じて実施しています。

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